3. 弥生の国の中心部を考える遺跡

 伊勢遺跡は、紀元140年〜180年頃にあったという倭国大乱の時代に最盛期を迎える遺跡です。
中国の書物である『三国志』魏志倭人伝には当時、列島内には30ほどクニがあり、中国に物資を
献上し外交を行っていましたが、140年頃から180年頃にかけて国内で大乱があり、その後、
卑弥呼が共立されて女王になったとの記録があります。伊勢遺跡で発見された大型建物は、
卑弥呼共立直前の建物であり、ここに近江を代表するクニの中心部があって、様々な政治的
儀式やまつりごとが行われていたと考えられています。魏志倭人伝には卑弥呼の住まいには
「居処、宮殿、楼観、城柵」などの施設があると記されていますが、伊勢遺跡は倭人伝に
記された卑弥呼の住まいを彷彿とさせます。
伊勢遺跡は国の中枢部の構造を探ることのできる
遺跡として高い評価を受けています。


 方形区画復元CG
  ▲ 方形区画の復元CG(大上直樹氏作成)[ 右からSB−1、2、3、小型倉庫 ]

方形区画復元CG大型建物(方形区画内) 
  ▲ 方形区画復元CG 左右対称案 (大上直樹氏作成)    ▲ 方形区画内で検出された大型建物 (SB−1) 


4章 円周状配置の大型建物  伊勢遺跡Topに戻る