7.五角形住居
伊勢遺跡では、8棟もの五角形住居が発見されています。平面形が五角形で、柱穴は5本あり、
中央に炉をもち、東南辺の壁際に貯蔵穴をもっているものが通例です。壁際には周壁溝がみられる
のも特徴です。
五角形住居は、弥生時代後期に各地で見られますが、特に島根、鳥取、石川、富山県などの
日本海沿岸地域に多く、大阪湾岸や瀬戸内海、四国でも発見されています。日本海沿岸地域との
活発な交流を背景に、五角形住居が伊勢遺跡を中心に多数、建築されたと考えられます。
▲ 五角形住居(字大将軍)
▲ 五角形住居の土器出土状況
8.大型建物の柱穴の掘り方
大型建物のうちの3棟(SB−4、SB−5、SB−6)の柱穴の底には直径5pほどの河原石が敷かれて
いて、柱が沈みこまないようにしてありました。また、傾斜面をもつ、大きくて長い柱穴が掘られていて、
長くて太い柱を落とし込み、柱を建てあげた事が推測されます。さらに、伊勢遺跡の大型建物の柱材はすべて
針葉樹のヒノキが使用されていました。
▲ 大型建物の柱穴 (SB−5)
▲ 柱穴の底に敷かれた河原石 (SB−5)