水辺や水中の動植物

水生・湿生植物

○湿生植物(水辺の周辺に生育する)

アゼナルコスゲ(カヤツリグサ科)
多年生。川辺や湿った草原などに生育する。種子、地下部で繁殖する。茎は堅く、三角形。葉は革質で黄緑色。花期は5月〜6月で、茎の上部に細くて長い柄に小穂が数個、長く垂れ下がる。この垂れ下がる小穂を鳴子にイメージしてこの名がついている。一番先の頂小穂の下半分は雄性である。

アメリカセンダングサ(キク科)
一年生。水辺の湿ったところに普通に見られる。北アメリカ原産の帰化植物。茎はやや角張った四角柱状。直立し、上部で盛んに分枝し、大形の草になる。葉は羽状に深く切れ込んだ複葉。花期は9月〜10月である。枝先に頭状花をつける。舌状花は黄色で短い。果実には逆向きの2本の棘があり、衣服などによくくっつく。

アメリカタカサブロウ(キク科)
タカサブロウに似るが、葉がタカサブロウより細い。タカサブロウとのいちばんの違いは、果実の縁に翼がないことである。守山市内では最近タカサブロウに出会うことは少なく、大半がアメリカタカサブロウである。

イ(イグサ科)
多年生。水辺の湿地に生育する。種子、地下茎で繁殖。地下茎から円柱状の細い茎を密生し、大きな株になる。葉は茎の下部に鞘状につくが目立たない。花期は6月〜8月である。茎の先端から包葉が茎を延長する形で伸び、茎の先端に穂をつける。

オオイヌタデ(タデ科)
一年生。荒れ地、道ばた、田畑の周りなどに生育する。大群落を形成することがある。葉鞘はやや厚い膜質で縁に毛はないのが特長。花期は6月〜9月である。茎の上部から多くの枝を出し、太くて長い穂がたれさがるようにつく。がくは4裂、花弁はない。花の色は白色から淡紅色である。

オオカワジシャ(ゴマノハグサ科)
越年生。川の岸辺や多湿なところに群生する。ヨーロッパからアジア原産の帰化植物。茎は円柱状で直立し分枝し、大きな株をつくる。葉は質が柔らかい葉柄はない。花期は5月〜6月である。葉のつけねから柄を伸ばし、穂状の花序を出し、多くのうす紫色の花をつける。近年、市内の水域に広がりつつある。

オギ(イネ科)
多年生。川をはじめ水辺のまわりのやや湿った荒れ地や空き地などに群生する。ときにヨシ原のヨシと混生することがある。全体がススキと似るためよく間違われやすいが、オギは地下茎を縦横に広げ、そこから茎を多く出すためススキのように株立ちにならず大きな群落へと広がりを見せる。葉は茎の生長とともに上部に移っていく。花期は9月〜10月で、ススキよりもおそい。銀白色のふさふさとした穂をなびかせる。小穂にススキのようなのぎがないのが大きな特徴。

カサスゲ(カヤツリグサ科)
多年生。湿地や川岸に生育する。根茎は堅く、長いほふく根茎を伸ばす。茎は太く、そう生する。葉はやや堅い。花期は5月〜7月である。茎の先端に雄生の穂が円柱状に立つ。雌性の穂は円柱状につき、下部のものには長い柄がある。

キツネノボタン(キンポウゲ科)
越年生。田んぼのあぜや溝など湿ったところに生育する。葉のふちには不揃いな鋸歯がある。3枚の小葉に分かれ、それぞれ深く切れ込む。茎は中空で上部で盛んに分枝する。花期は4月〜6月で、5枚の花弁の黄色い花をつける。めしべが多数あり、花後、金平糖のような球状の集合果実となる。

クサイ(イグサ科)
多年生。やや湿った空き地や田畑のまわりの道などに見られる。人の踏みつけるようなところに多く見られる。茎は細く、根元から数本立ち上がる。葉は細く線形で基部で茎をまく。花期は6月〜9月である。茎の先に細長い包葉がつき、そこから枝がでて穂をつける。

クサネム(マメ科)
一年生。湿り気のある草地や田んぼの周りなどに生育する。茎は直立し、無毛で平滑。上部は中空。葉は羽状複葉、葉の下面は粉白色を帯びる。花期は8月〜10月である。茎の先に花茎を出し、淡黄色のマメ科特有の形の花をつける。果実はさや状。

クサヨシ(イネ科)
地下茎で殖える多年草。茎の先に小穂が密生した円錐形の穂をつける。

サクラタデ(タデ科)
多年生。水辺や湿地に生育する。種子や地下茎で繁殖する。茎は直立し、上部で分枝する。葉はひ針形で先はとがる。葉鞘の縁には長い毛がある。花期は8月〜10月である。枝の先に穂状の花穂を出し、先はやや垂れ下がる。タデのなかまでは花は大きく、淡紅色で美しい。

シロネ(シソ科)
多年生。水辺、湿地に生育する。守山市内では、湖岸のヨシ群落の水際に普通に見られる。種子、地下茎で繁殖する。地下茎は肥厚し、白くて長い。名前の起こりはこの特徴による。茎は四角柱状で太く分枝はほとんどない。葉には荒い鋸歯がある。花期は8月〜9月である。葉腋に小さい白色の唇形の花をつける。

シロバナサクラタデ(タデ科)
多年生。水辺や湿地に生育する。地下茎を伸ばして繁殖する。茎は直立し、上部で分枝する。葉はひ針形で先はとがる。葉鞘の縁には長い毛がある。花期は8月〜10月である。枝の先に穂状の花穂を出し、先はやや垂れ下がる。タデのなかまでは花は大きく、白色。サクラタデの花よりやや小さ目である。

ジュズダマ(イネ科)
多年生。水辺に生育し、大きな株になる。茎の一部分の葉の鞘の間から穂がでる。種子は光沢のある包鞘につつまれる。この包鞘は、白色、灰色、灰褐色、黒色など、さまざまな色をもつ。これに糸を通してネックレスつくりなどの遊びの材料にすることができる。花期は8月〜9月である。

スカシタゴボウ(アブラナ科)
越年生または一年生。イヌガラシに近縁のなかまで全体的にはよく似ている。イヌガラシに比べて葉の切れ込みが多いことや果実がふくらみを持っていることで区別できる。

セリ(セリ科)
多年草。水辺や湿地に生育する。春の七草のひとつ。セリは独特の香りや風味があり、野菜として栽培されることもある。繁殖力が強く、ほふく茎が切断されても節から根や芽を出す。茎は四角柱状で中空。葉は羽状に切れ込んだ複葉。花期は7月〜8月である。茎の先にかさ状の花序をつけ、小さい5弁の白い花が多数つく。

タコノアシ(ユキノシタ科)
多年生。湿地や水辺に生育する。種子や地下茎で繁殖する。地中に地下茎が広がる。茎は円柱状でやや赤味を帯びる。そう生して直立する。葉はひ針形で鋸歯がある。無柄。花期は8月〜9月である、茎の先に数本の枝が開き、多くの小花が並ぶようにつき、先が外側にそるように曲がる。このすがたがタコの足のように見えることからこのなまえが付いている。近年、生育量が減っており、美崎公園の貴重種でもある。

タネツケバナ(アブラナ科)
越年生または一年生。田んぼのあぜ道や道ばたなどやや湿った土地に多い。冬から春にかけて多く見られる雑草で、花期は2月〜5月である。茎から出た枝の先に白い小花が集まって咲く。果実は2pくらいの細長いさや状で、熟するとはじけて種子をとばすしくみになっている。


ツルヨシ(イネ科)
多年生。湖岸の砂浜などの砂地に生育する。

ハッカ(シソ科)
多年生。湿ったところに生育する。種子や地下茎で繁殖する。茎は四角。葉は卵形の楕円形。荒い鋸歯がある。ハッカの名をもつだけに、全体に強い香りがある。花期は8月〜9月で、葉腋から唇形の淡紫色の花を多数つける。

ヒメクグ(カヤツリグサ科)
多年生。水辺や湿地に生育する。地下茎で繁殖する。地下茎が地面に沿って伸び、その節々から三角の茎が多数出て直立する。茎の根元に柔らかい線形の葉をつける。花期は7月〜9月である。茎の先に葉のような3枚の包葉をつけ、その間に小穂が球状に集まった緑色の花穂がつく。

ヒレタゴボウ(アカバナ科)
一年生。水田のあぜや湿地に生育する。北アメリカ原産の帰化植物。茎は直立し分枝する。葉は無柄でひ針形。基部は茎について翼の形状になるのが特長。花期は8月〜10月で、花弁4枚の黄色い花をつける。果実には4枚のがく片が明瞭に残る。アメリカミズキンバイの別名がある。

ボントクタデ(タデ科)
一年生。水辺や湿った荒れ地に見られる。種子で繁殖。茎は円柱形で直立する。茎は紅紫色を帯びる。葉はひ針形で先がとがる。濃い緑色で、中央に黒い八の字形のシミがあるのが特長。葉鞘の縁には長い毛がある。花期は9月〜10月である。茎の上部に多数の枝を出し、まばらに紅色の花をつける。

ミズタカラシ(アブラナ科)
多年生。水辺や湿地に生育する。美崎公園では、新川の岸辺に見られる。茎は直立し、根元から細い枝を出し、地面をはう。葉は羽状複葉で、小葉は先のものほど大きい。花期は4月〜5月で、白い十字形の花を咲かせる。

ミソハギ(ミソハギ科)
多年生。水辺や湿地に生育する。地下茎で繁殖する。茎は地下茎から直立し、途中から多数の枝を出す。花期は7月〜9月で、茎の上部の葉腋に淡紅紫色の花をつける。地方によっては、仏前の花として栽培されることがある。

ミゾソバ(タデ科)
一年生。水辺や水路などに群生する。種子で繁殖。茎は横にはい、節から根を出し広がっていく。葉の形や花の咲いた状況がソバに似ていることから「溝のソバ」をイメージしてこの名がついている。花期は8月〜10月である。分枝した先に小さい花が集まって咲く。色は白色、淡紅色と変化に富む。花柄には腺毛がある。

ヤナギタデ(タデ科)
一年生。水辺や水田などに群生する。種子で繁殖。葉はひ針形でヤナギの葉に似ている。葉をかむと強い辛みがあるのが特長。葉鞘の縁には毛がある。花期は夏から秋。茎の先に穂状の花穂を出し、まばらに白い花をつける。

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