○守山市違反建築物等事務処理要綱
平成22年5月31日
守山市違反建築物等事務処理要綱(平成10年3月23日制定)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この要綱は、建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)の規定または法の規定に基づく許可に付した条件等に違反する建築物、建築物の敷地および工作物(以下「違反建築物等」という。)の発生を未然に防止するため、違反建築物等の違反を迅速に是正するため必要な事務処理を定めることにより、建築行政の適正かつ合理的な運用を図ることを目的とする。
(事務処理上の原則)
第2条 違反建築物等に対する事務処理は、迅速かつ適正に処理しなければならない。この場合において、違反建築物等の建築主、工事施工者、工事監理者等(以下「違反者等」という。)に対し、現場調査を踏まえた是正指導を行い、違反事実を十分認識させなければならない。
2 市長は、不公正な処分にならないよう十分留意しなければならない。
3 市長は、違反者等および違反建築物等の関係人(違反建築物等の工事従事者、下請業者または入居者もしくは使用者等をいう。以下同じ。)に対し冷静かつ厳正な態度で対応しなければならない。
4 市長は、違反の内容が都市計画法(昭和43年法律第100号)その他の法令の規定に違反する場合は、関係課と連携し、協調した指導体制を確保しなければならない。
5 違反建築物等の処理は、違反処理建築物事務処理フロー(別図1)により行うものとする。
(文書の作成および取扱い)
第3条 違反建築物等に対する事務処理に関する文書は、処理過程において外部に漏れることのないよう、常にその管理に留意するとともに、客観的事実に基づき正確に記載しなければならない。
2 行政処分(法第9条の規定による命令をいう。)および告発に係る文書の作成は、その法律的根拠および受命者氏名ならびに命ずる措置内容について誤記、記入漏れまたは落印のないようにし、これらの処分が無効とならないよう特に留意しなければならない。
(文書の交付および送達)
第4条 指示書、勧告書、命令書等は、原則として直接相手方に手渡さなければならない。この場合において、受領書(別記様式第1号)を徴するなど手渡した事実を証明できるよう措置するものとする。
2 指示書、勧告書、命令書等を直接手渡しできない場合は、配達証明付き郵便で送付するものとする。
3 建築物に係る苦情、陳情書は、苦情受付処理簿(別記様式第5号)にこれらの措置状況を記載するものとする。
(違反建築物等の現場調査)
第6条 現場調査は、次のとおり行うものとする。この場合において、現場調査は原則として複数の職員で行い、必ず立入検査証を携帯し、関係人の請求があったときは、これを呈示しなければならない。
(1) 立ち入り 法第12条第6項の規定により違反現場に立ち入る場合は目的を告げ、承諾を得て立ち入ること。ただし、住居(その敷地を含む。)に立ち入る場合で居住者の承諾が得られないときは無理をせず外観上の調査にとどめるものとする。
(2) 事情聴取 建築主、工事施工者、工事監理者等の工事関係者から、建築内容、連絡先等の必要な事項を聴取する。ただし、現場において単なる労働に従事する者は、事情聴取の対象とならないので留意するものとする。
(3) 写真撮影 違反の内容を正確に撮影し、必要に応じて工事関係者の自動車ナンバー、会社名等の違反建築物等に関与していることを証するものを撮影する。この場合において、寸法が必要なときはリボンテープ等を入れて撮影するものとする。
(4) 調査 現場の状況を的確に把握するため、建築物、建築物の敷地の範囲、道路の状況、工事の進行状況等を正確に調査するものとする。
2 現場調査は、後日の是正指導の基礎資料となるため、違反事実の正確な把握に努めるとともに詳細に調査しなければならない。
(是正指導)
第7条 違反者等に対しては、常に冷静かつ丁重に対応し、違反の内容および行政の意思を明確に伝えるとともに、是正指導の時期を失することのないよう、次に掲げる規定に応じて迅速に処理を行うものとする。この場合において、緊急の必要があると認めたときを除き、是正指導は、違反者等を呼び出して行うものとし、現場における指導は、最小限にとどめるものとする。
(1) 現場に違反者等がいる場合 警告書(別記様式第6号)により違反者等に来庁するよう求めるとともに、必要に応じて工事の停止を明確に指示すること。ただし、現場に違反者等が不在の場合は、現場に警告書を貼り付け、写真を撮影するものとする。
(3) 違反者等に報告書の提出および是正等の指示を行う場合 指示書(別記様式第11号)により行うこと。
(4) 是正計画報告書または是正の指示が期限までに是正される見込みがない場合 是正勧告書(別記様式第12号)を違反者等に交付すること。この場合において、勧告は、法に定められた行政処分ではないが、特定行政庁の意思を表示し、行政処分に準じるものであるため内容に瑕疵がないよう十分注意しなければならない。
(是正命令等)
第8条 違反者等が是正指導に従わない場合は、是正命令を次の各号の規定により行うものとする。この場合において、当該命令を行う場合は、違反の実態を明らかにし、以後の告発の証拠とするため、必要箇所の現場写真を撮影するものとする。
(2) 法第9条第7項の規定により緊急の必要がある場合の使用禁止または使用制限 使用禁止、使用制限命令書(別記様式第15号)により行うこと。
(3) 法第9条第10項の規定により緊急の必要がある場合の工事の施工の停止 工事停止命令書(別記様式第16号)により行うこと。
2 市長は、法第9条の3の規定により違反建築物等に関与した設計者等を国土交通大臣または滋賀県知事に通知書(別記様式第19号)により通知する。
3 市長は、前項の規定による国土交通大臣への通知は、滋賀県知事を経由して行うものとする。
4 市長は、法第9条第1項または第10項の規定により是正命令を発した違反建築物等が工事中の場合は、違反建築物に対する電気等の供給保留について(昭和46年1月29日建設省住指発第42号建設省住宅局長通達)および違反建築物に対する電気等の供給保留について(昭和46年1月29日建設省住指発第43号建設省住宅局長通達)により水道電気ガス供給の承諾保留の要請について(別記様式第20号)を事業者に行い、違反者等に対して行い、保留要請した旨の通知を行うものとする。
5 市長は、当該建築物の違反が是正された場合は、標識を直ちに撤去するとともに、違反建築物に対する是正措置完了通知書(別記様式第21号)を事業者に通知する。
(公開による意見の聴取)
第10条 法第9条第3項または第8項の規定により公開による意見の聴取を行うことの請求があった場合は、守山市建築基準法に基づく公開による意見の聴取に関する規則(平成10年規則第13号)により処理する。
(是正確認および是正措置の完結)
第11条 違反建築物等については、次に掲げる事項に留意して是正確認を行うものとする。
(1) 指示事項、命令等の遵守の有無
(2) 違反の是正状況の確認
(3) 新規違反の発生の有無
(4) その他市長が必要と認めるもの
2 是正が確認されたものを除くほか、次の各号に該当する場合については、是正完結とみなし是正指導を終了することができる。
(1) 保安上、衛生上および防災上支障がないと認められる場合もしくは認められる状態に是正し、かつ、始末書または誓約書および法第12条第5項の規定による報告書を徴収したとき。
(2) 前号に掲げるもののほか、是正完結とみなすことにつき相当の事由があると市長が認めたとき。
(告発)
第12条 命令に従わない違反者等に対しては、勧告書等により是正指導を継続する。
2 前項の規定にかかわらず、是正されない違反建築物等について市長が必要があると認めたときは、刑事訴訟法(昭和37年法律第139号)第239条第2項の規定に基づき告発する。
(行政代執行)
第13条 市長は、是正命令等の措置を命じた場合にその違反を放置することが著しく公益に反すると認めたときは、法第9条第12項の規定により、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の規定に基づき行政代執行を行うことができる。
(法第16条に基づく報告等)
第14条 次に掲げる違反建築物等の処分については、建築基準法の施行に関する報告について(昭和47年8月15日住指発第657号建設事務次官通達)により、処分後2週間以内に滋賀県知事を経由して、国土交通大臣に報告するものとする。
(1) 法第9条に基づき命令を発したもののうち、特に重要なもの
(2) 法第11条に基づき命令をしたもの
(3) 違反建築物等について、告発したもの
(4) 違反建築物等について、法第9条第11項または第12項による手続きをとったもの
(5) 法第94条または行政不服審査法(昭和37年法律第160号)による不服申立てがなされたもの
2 前項各号に定める報告については、次に掲げることを記載するものとする。
(1) 処分の内容
(2) 処分の年月日
(3) 違反条項(不適格条項)
(4) 法第11条に該当するときは、補償に関する条項
(5) その他参考となる事項
付則
この要綱は、平成22年6月1日から施行する。
別図1(第2条関係)