水辺や水中の動植物

水生・湿生植物

○沈水植物(根は水底に固着し、水中に沈んでいる)

イバラモ(イバラモ科)
葉には粗いぎざぎさ(鋭い鋸歯)があり、この形状が名前の由来である。植物体は硬く、たいへん丈夫そうであるが、意外ともろい。冬になると枯れるので、種子で殖える。雌花と雄花が別々の株につき、水中で受粉し、種子をつくる。

エビモ(ヒルムシロ科)
沈水性の水草で多年草。全体緑褐色。水中茎は平たい形状で分枝する。葉は互生し、無柄でわずかに茎をまく。葉の先端部はとがることなく丸みがある。縁は波状にちぢれて細かい鋸歯がある。茎の先や葉腋から花柄をだし、淡黄褐色の小さい花を穂状につける。

オオカナダモ(トチカガミ科)
1969年に琵琶湖で確認された南アメリカ原産の帰化水草。日本には雄株しかない。茎の一部がちぎれ、それが水中を漂い、節の部分から新しく根を出して増えていく。葉は茎に輪生状に4〜5枚(普通は4枚)つく。葉の鋸歯は目立たない。琵琶湖だけでなし、河川に普通に見られる。茎から花柄を伸ばし、白色の花をつけることがある。

オオササエビモ(ヒルムシロ科)
琵琶湖をはじめ河川に見られる冬になると枯れてしまう。秋の終わりに地下茎の先に殖芽をつくり、越冬する。葉はやや波うち、ねじれることがある。また、葉の先が鋭くとがっているのが特長である。茎の先や葉腋から花柄をだし、小さい花を穂状につける。

クロモ(トチカガミ科)
コカナダモに似ているが、節から輪生状に出る葉の数が6枚前後と多い。葉の縁に鋸歯が目立つこともコカナダモとの違いである。夏に白い花を咲かせる。受粉して種子をつくる。コカナダモやオオカナダモのように茎がちぎれて増殖することもできる。また、葉の根元や枝の先に殖芽でき、この殖芽から殖えることもある。

コウガイモ(トチカガミ科)
植物体はネジレモに似ているが、葉がねじれないことや、葉の縁にぎざぎざ(明らかな鋸歯)があること、また地下茎に細かい棘がありざらざらしていることで区別できる。種子または根茎で越冬するが、コウガイモは越冬芽でも冬を越す。

コカナダモ(トチカガミ科)
1961年に琵琶湖で確認された南アメリカ原産の帰化水草。日本には雄株しかない。茎の一部がちぎれ、それが水中を漂い、節の部分から新しく根を出して増えていく。葉は茎に輪生状に3枚つく。葉の鋸歯は目立たない。琵琶湖だけでなく、河川に普通に見られる。

ササバモ(ヒルムシロ科)
琵琶湖や河川に生育している。冬になると枯れるので、種子または殖芽で越冬する。葉が笹の葉に似ていることからこのなまえがついている。葉を水面になびかせていることがある。葉柄が長く、葉の先は鋭くとがっている。

シャジクモ(シャジクモ科)
植物体は、スギナを細くしたような形をしている。植物体は細長い茎状で、茎状の節から枝が輪生するが、シャジクモは他の水草とちがってソウ(藻)類であるので、普通の植物のような根、茎、葉の別がなく、花もつけない。節の部分から発芽して殖えたり、雄器・雌器の生殖器のはたらきで殖えたりする。

ネジレモ(トチカガミ科)
琵琶湖とその水系だけに見られる琵琶湖の固有種の水草。 葉がねじれていることからこのなまえがついている。比較的粒子の荒い砂や礫の底質の比較的浅い水域に見られる。夏から秋にかけて花を咲かせる。葉には鋸歯がある。地下茎はコウガイモのようにざらつかない。越冬芽はできない。

ヒロハノエビモ(ヒルムシロ科)
名前のとおり、葉の長さに比べて幅が広いのが特徴。葉柄はなく、茎を抱いている。葉の先はとがらず、丸みがある。冬に枯れる。秋の終わりに地下茎の先端に殖芽をつくって越冬する。

フサジュンサイ(スイレン科)
湖や川や堀などの水域に群がって生育する北アメリカ原産の帰化水草。夏から初秋にかけて茎の先に可憐な白色の一日花(花弁3枚・がく3枚)を咲かせる。花がさくときには、水面に浮かぶ浮葉を出す。この浮葉の形がジュンサイに似ていることからこのなまえがついている。鑑賞魚を飼育するときの水そうに入れることが多く、カボンバの名前で市販されている。また、ハゴロモモの別名で呼ばれることもある。

ミズオオバコ(トチカガミ科)
池、みぞ、用水路などに生育する。生長すると葉が広く大きくなり、オオバコの葉に似てくる。葉柄は長い。この葉の形状からこのなまえがついている。夏から秋にかけて葉の間から長い茎を出し白またはうすいピンクの一日花を水面に咲かせる。花は花弁、がくともに3枚。

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