い せ い せき
伊 勢 遺 跡
昭和56年(1981年)、滋賀県守山市伊勢町、阿村(あむら)町、栗東市野尻(のじり)にかけて、
弥生時代後期の巨大な集落遺跡が広がっていることがわかりました。その後、平成19年3月までに
実施した104次にわたる発掘調査で、伊勢遺跡は東西約700m、南北約450mの楕円形状に形成されている
ことが明らかになっています。集落が営まれた時代は、縄文時代後期から室町時代で、最も栄えた時代は
弥生時代後期(紀元1〜2世紀)です。遺跡は、南と北にある低地に挟まれた微高地にあり、東から西
にかけて傾斜する土地にあります。
弥生時代後期の建物跡には、竪穴住居と掘立柱建物の2種類の建物跡があり、竪穴住居の平面形には
円形と方形そして五角形の3種類があります。また、掘立柱建物の規模には大小が見られ、ここでは
床面積が30u以上のものを大型建物と呼んでいます。遺跡の西半部には竪穴住居が広がり、東半部の
大型建物跡が無くなると、その上にも竪穴住居が造られるようになります。
遺跡の西側では、溝を挟んで方形周溝墓が築かれていますが、弥生時代集落の有力者の墓域で
あったと推定されます。遺跡の東端では、幅約7m、深さ2m以上もある大きな堀のような大溝があり、
北側は方形周溝墓、南側は、旧河道であったと推定されます。
▲ 伊勢遺跡全体図
最新ニュース 伊勢遺跡想像復元図の看板を設置! 守山市教育委員会では、伊勢町日吉神社東側の土地に 伊勢遺跡想像復元図の看板を2枚設置しました。 この場所は今年4月から守山市が管理を委託された土地で、約3400uあります。 発掘調査の成果をもとに、大型建物の柱を建て上げているところや、 大きな柱を筏(いかだ)にして運んでいる様子を描いています。 復元図は伊勢町在住の中井純子さんに描いて頂きました。 |
伊勢遺跡はJR栗東駅から北東に徒歩約10分の場所にあります。
【 目次 】
1章 弥生時代後期の巨大集落
2章 次々と発見される大型建物
3章 弥生の国の中心部を考える遺跡
4章 円周状配置の大型建物
5章 東西日本の結節点
6章 多種・多様な大型建物
7章 五角形建物
8章 大型建物の柱穴の掘り方
9章 旧河道と琵琶湖
10章 国の成り立ちを考える遺跡群