9. 旧河道と琵琶湖
伊勢遺跡の南側には幅15〜30mほどの川が流れていたことがわかっています。川岸の一部には
護岸の跡があり、川を水運として利用していたとみられます。祭殿と見られる独立棟持柱付建物
(SB−5)からヒノキの柱根が出土していますが、筏(いかだ)を組むための切り込みがみら
れました。川を利用して大きな柱材を運んでいたことが想像されます。
また、遺跡内からは大阪から持ち運ばれた大型の壺や北陸・東海地方の土器が出土していて、
琵琶湖や湖に注ぐ川を利用して人や物が運ばれていたと推測されます。
▲ 伊勢遺跡復元図(想像図) (中井純子画) ▲ 棟持柱の柱根 (SB-5)