○守山市有料老人ホーム設置指導要綱
平成20年7月1日
守山市告示第167号
(目的)
第1条 この要綱は、守山市内において有料老人ホームの事業を計画し、または運営する者に対し、遵守すべき事項を定め、必要な指導および協力要請を行うことにより、安定的かつ継続的な事業運営を確保するとともに、地域環境との調和および良質なサービスの提供を図ることにより、入居者の良好な生活環境を確保し、もって高齢者の自立した生活基盤の援護と社会参加を促進することを目的とする。
(1) 有料老人ホーム 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第29条第1項に規定する有料老人ホームで次に掲げるものをいう。
ア 介護付有料老人ホーム 入居者が介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第11項に規定する特定施設入居者生活介護、同条第19項に規定する地域密着型特定施設入居者生活介護および同法第8条の2第11項に規定する介護予防特定施設入居者生活介護のサービス(以下「介護サービス」という。)を利用して生活する施設をいう。
イ 住宅型有料老人ホーム 有料老人ホームのうち入居者が介護保険法第8条第2項に規定する訪問介護等の外部サービスを利用する施設をいう。
ウ 健康型有料老人ホーム 有料老人ホームのうち入居者が介護を必要とする状態となった場合には退去することとなる施設をいう。
(2) 事業計画者 本市において有料老人ホームを設置しようとする者をいう。
(3) 事業運営者 本市において有料老人ホームを設置および運営する者をいう。
(事業計画者および事業運営者の責務等)
第3条 設置希望者は、この要綱の目的を達成するための市長の指導および要請に協力するとともに、次に掲げる法令等を遵守し、入居者に最適なサービスの提供が期待できる施設の設置に努めなければならない。
(1) 老人福祉法
(2) 介護保険法
(3) 都市計画法(昭和43年法律第100号)
(4) 建築基準法(昭和25年法律第201号)
(5) 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)
(6) 消防法(昭和23年法律第186号)
(7) 有料老人ホーム設置運営標準指導指針(平成14年7月18日老発第0718003号厚生労働省老健局長通知。以下「国指導指針」という。)
(8) 滋賀県有料老人ホーム設置運営指導指針(平成16年7月14日施行。以下「県指導指針」という。)
(9) 滋賀県有料老人ホーム設置運営指導要綱(平成16年7月14日施行。以下「県指導要綱」という。)
(10) だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり条例(平成6年滋賀県条例第42号)
(11) 守山市景観条例(平成20年条例第11号)
(14) その他高齢者福祉および都市計画に関する法令等
2 事業計画者は、設置を計画する地域の近隣の住民および権利者、自治会等に対し、事業計画の概要、運営の方針等を十分説明し、理解を得るよう努めなければならない。
3 設置者は、事業運営に当たっては、常に近隣地域との良好な関係を維持するよう努めなければならない。
(1) 事業計画に関する書類
(2) 法人の登記事項証明書
(3) 定款または寄附行為に関する書類
(4) 資金計画、事業収支予定等に関する書類
(5) 市場調査結果に関する書類
(6) 平面図および立面図
(7) 前各号に掲げるもののほか市長が必要と認める書類
2 事業計画者は、都市計画法の規定による開発許可、建築基準法による建築確認申請等の法定手続きまたは守山市開発行為指導要綱の規定による開発同意もしくは県指導指針第3条に規定する滋賀県への事前申出を行う前に、前項の合意書を取り交わすものとする。この場合において、事業計画者が協議を行わないときは、当該事業計画者に協議の開始を求めるものとする。
3 事業計画者および事業運営者は、第1項の規定により合意した事項を変更するときは、変更しようとする事項について市長と協議し、新たに合意書を作成するものとする。
4 事業計画者は、第1項に定める事前協議と並行して、社団法人全国有料老人ホーム協会(昭和57年2月8日に社団法人全国有料老人ホーム協会という名称で設立された法人をいう。)の入会審査を受け、入会資格を取得するよう努めなければならない。
(立地条件ならびに土地および建物に関する制限)
第5条 有料老人ホームは、入居者が健康で安全な生活を維持できるように、交通の利便性、地域の環境、災害に対する安全性、医療機関との連携等に配慮して立地するとともに、入居者の処遇および健康ならびに防災上適当な広さを有するものとする。
2 有料老人ホームの設置は、市街化区域内に限る。ただし、市街化調整区域または市街化調整区域に隣接する市街化区域に立地する既存の病院、特別養護老人ホームまたは介護老人保健施設が有する医療または介護機能と密接に連携するため、施設の機能および運営上市街化区域に設置することが困難または不適当で、かつ、近隣自治会の防災上の協力が得られ、自然環境との調和が取れた計画であると市長が認めた場合は、この限りでない。
3 有料老人ホームの設置にあっては、次のすべての要件を満たすものとする。
(1) 設置および運営が県指導指針における基準に適合していること。
(2) 福祉医療機構等の公的融資を受けて建設されるものであること。ただし、適切な料金設定がなされており、かつ、安定的な経営確保が図られていることが確実であると、主たる取引金融機関が保証するものについては、この限りではない。
(3) 土地および建物については、当該施設の事業以外の目的による抵当権、その他施設の利用を制限するおそれのある権利が存しないことが登記簿謄本等により確認できる状態であること。
(4) 利用権方式、建物賃貸借方式または終身建物賃貸借方式のものであり、分譲方式ではないこと。
(5) 近隣に立地する既存の病院、特別養護老人ホームまたは介護老人保健施設が有する医療、介護機能と密接に連携する体制等が図られているものであること。
4 住宅型有料老人ホームについては、原則同一建物内に居宅介護支援事業所および訪問介護事業所を設置してはならないとともに、事業運営者は、特定の事業者を利用することを入居の条件としないものとする。
5 事業計画者は、借地または借家により有料老人ホームを設置する場合は、入居者の居住の継続性を確保するため、入居者の入居契約期間が借地、借家契約期間を超えることがないようにするとともに、入居契約に際してその旨を十分説明しなければならない。
(定員)
第6条 有料老人ホームの定員は、40人以下とする。ただし、介護付有料老人ホームのうち、介護専用型有料老人ホーム(要介護者のみが入居する介護付有料老人ホームをいう。)の入居定員は、50人以下とする。
2 前項の規定にかかわらず、市全体における介護付有料老人ホームの入居定員は、介護保険法第117条の規定に基づき市長が定める計画に規定する計画目標値の範囲内とする。
3 介護付有料老人ホームの事業計画者は、前項の入居定員により介護保険法第70条第1項または第78条の2第1項に規定する申請を行うものとする。
(構造、設備および規模)
第7条 有料老人ホームの構造、設備および規模については、次の各号に定めるところによるほか、滋賀県介護保険法に基づく指定居宅サービスの事業の従業者ならびに設備および運営に関する基準等を定める条例(平成25年滋賀県条例第17号)その他介護サービスに係る人員、設備および運営に関して国、県または市が定める基準以上のものとしなければならない。
(1) 新耐震基準(建築基準法施行令の一部を改正する政令(昭和55年政令第196号)による改正後の建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)による基準をいう。)を満たしていない建築物は、建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号)に基づく耐震改修計画の認定を受け、当該耐震改修を実施すること。
(2) 敷地内には、緊急車両が入れるスペースを確保するとともに、消防活動スペースを常時維持し、駐車場の駐車台数は、車椅子使用者駐車スペース(1台以上)を含め施設定員に0.2を乗じて得た数以上(1台未満の端数が生じたときは、これを切り上げるものとする。)とする。
(3) 1の居室の定員は、1人とする(以下「個室」という。)。ただし利用者の処遇上必要と認められるときは2人とする(以下「2人室」という。)ことができるものとする。
(4) 居室内には、トイレ、洗面設備および緊急通報装置を設け、2人室には浴室を設けるとともに、各設備に補助手すりを設置すること。
(5) 居室の面積(トイレ、洗面設備および収納設備を含む。以下同じ。)は、個室は25平方メートル以上、2人室は35平方メートル以上とすること。この場合において、当該面積は、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積とする。
(6) 前号で区画された壁等は、建築基準法施行令第114条第1項の規定による界壁とする。
(7) 居室の出入り口は、引き戸とすること。
(8) 居室のある階には、すべて談話室を設け、健康・生きがい施設、食堂等、入居者が常時くつろぐことができる十分なスペースを確保すること。
(9) 前号による面積は、談話室は入居者1人につき0.75平方メートル以上確保し、10平方メートルに満たない場合は10平方メートルとする。また、健康生きがい施設、食堂等は入居者1人につき1.0平方メートル以上確保し、10平方メートルに満たない場合は10平方メートルとする。
(10) 居室が2階以上の階にある場合は、車椅子使用者が円滑に利用できる規模の乗用エレベーターを設けること。この場合において、エレベーターホールは、車椅子が回転できる広さを有し、建物の出入り口からの経路は段差のない構造とすること。
(11) 廊下幅は、内法有効で1.8メートル以上とする。
(1) 居室の面積が、個室は18平方メートル以上、2人室は26平方メートル以上確保されること。
(2) 廊下幅が、内法有効で1.4メートル以上確保されること。ただし、中廊下の幅は1.8メートル以上とする。
(職員の配置)
第9条 事業運営者は、滋賀県介護保険法に基づく指定居宅サービスの事業の従業者ならびに設備および運営に関する基準等を定める条例に定める職員の配置基準以上の職員を配置するとともに、入居者実態に即した夜間の介護および緊急時に対応できる職員を確保するものとする。
(緊急時の対応)
第10条 事業運営者は、事故、災害、急病および負傷に迅速かつ適切に対応できるよう具体的な計画を立てるとともに、避難訓練等必要な訓練を定期的に行うものとする。
2 事業運営者は、入居者の病状の急変、その他の緊急時における医療体制を整え、かつ、協力医療機関と当該体制に係る協定を締結するものとする。
(入居者の募集)
第11条 入居者の募集に当たっては、入居者の利用料金、パンフレット、募集広告に、有料老人ホームの類型を明示するものとする。
2 有料老人ホームに関するパンフレット、募集広告等は、入居者に不当な期待を抱かせたり、そのために損害を与えることのないように、実態と乖離のない正確な表示を行うものとする。
3 事業計画者および事業運営者は、入居者の利用料金、パンフレット、募集広告等の内容を事前に市長に報告するものとする。
(市民の優先入居)
第12条 介護付有料老人ホームおよび住宅型有料老人ホームの事業計画者または事業運営者は、本市に1年以上住所を有する者に優先的に入居させる優先枠を設けるものとする。
2 前項の優先枠は、定員の70パーセント以上とする。ただし、市内在住の入居申込み希望者が希少で事業運営が困難な場合は、あらかじめ市長の承認を得て、優先枠を50パーセントにまで減ずることができる。
3 前項に定める市長の承認は、文書でもって行うものとする。
(事業内容の評価等)
第13条 事業運営者は、提供するサービスを年1回以上、当該事業運営者または事業運営に関係する者以外の者により評価し、その結果を入居者およびその家族等に公開するとともに、市長に報告するものとする。
2 市長は、必要があると認めたときは、前項の評価結果を公表することができる。
3 事業運営者は、県指導要綱第9条に規定する有料老人ホーム重要事項説明書を毎年7月1日現在において作成し、同月末日までにその写しを市長に提出するものとする。
4 事業運営者は、次の各号に定めるところにより、入居者、その家族等への情報開示に努めるものとする。
(1) パンフレット、重要事項説明書、管理規定等を公表するほか、入居者や家族等の求めに応じて交付すること。
(2) 事業運営者、施設、提供するサービス、入居費用および入退居に関する事項を施設内の入居者がわかりやすい場所に表示すること。
(3) 有料老人ホームの経営状況、事業収支計算書、貸借対照表等の財務諸表については、入居者またはその家族の求めに応じて閲覧に供し、または、写しを交付すること。
(報告および立入り調査)
第14条 市長は、必要があると認めたときは、事業計画者および事業運営者に対し、有料老人ホームの事業運営の内容についての報告書(別記様式第3号)の提出を求めることができる。
2 市長は、前項の調査に関し、委任した職員をもって建設中または完成後の建築物に立入り、調査を行わせ、必要に応じて指導または指示を行わせることができる。
3 事業計画者および事業運営者は、市長が必要に応じて行う調査に協力するものとする。
(是正の要求等)
第15条 市長は次の各号のいずれかに該当するものに対し、当該施設の建築について、是正および相当の猶予期間を定めて当該建築工事の変更または回復を命じ、または、運営等に関し是正を求めることができる。
(2) 第14条の規定に違反または妨害した者
2 市長は、事業計画者または事業運営者が前項の是正要求に応じない場合、または、事業計画の段階で市長と十分協議しない場合は、当該有料老人ホーム等の設置は好ましくない旨を明記した市長の意見書を、県知事に提出するものとする。
(その他)
第16条 この要綱に定めるもののほか、有料老人ホームの設置および運営の指導に関し必要な事項に関しては、県指導指針および県指導要綱に規定するところによるものとする。
付則
1 この告示は、平成20年8月1日から施行する。
付則
この告示は、平成21年1月21日から施行する。
付則
この告示は、平成25年4月1日から施行する。