○守山市男女共同参画推進条例
平成27年3月26日
条例第3号
守山市民憲章において、「のどかな田園都市」守山の市民であることを誇りとし、この恵まれた環境のもとにおのおのが力をあわせて、すべての人びとの幸せをねがい生きがいのあるまちづくりを行うことを定めている。この理念に基づき本市では、男女がともにいきいき輝く男女共同参画のまちづくりに取り組んできた。
男女が互いにその人権を尊重しつつ責任を分かち合い、個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会を早期に実現することは、本市の重要な課題である。
少子高齢化の進展、家庭および地域を取り巻く環境の変化等、社会経済情勢が大きく変化する中で、豊かで活力ある社会を築くためには、性別にかかわらず誰もがその有する能力を最大限に発揮してあらゆる分野において活躍できることが重要である。
さらに、性別による固定的な役割分担意識、慣習等による男女間の不均衡を早急に是正し、職場、地域その他のあらゆる分野において女性が活躍できるよう図らなければならない。
これらを踏まえ、歴史に育まれた豊かな文化、長年にわたり培われてきた活発な地域活動等の優れた守山市の特性を生かし、男女がお互いを認め合い、支え合いながら一人ひとりが輝けるまちを創り上げるため、男女共同参画社会の早期実現を目指して、ここにこの条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、男女共同参画の推進について、基本理念を定め、市民等の責務を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する施策(以下「男女共同参画施策」という。)の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画施策を総合的かつ計画的に推進し、男女共同参画社会を実現することを目的とする。
(1) 男女共同参画 男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的および文化的利益を享受することができ、かつ、ともに責任を担うことをいう。
(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に関して男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、当該機会を提供することをいう。
(3) 市民 市内に居住または市内に通勤もしくは通学する者をいう。
(4) 事業者 市内において事業を行う個人または法人をいう。
(5) 各種団体 市内において活動を行う団体をいう。
(6) 教育関係者 市内において、学校教育、社会教育、保育等に関わる者をいう。
(7) 市民等 市民、事業者、各種団体および教育関係者をいう。
(8) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動により当該言動を受けた者に苦痛を与えその者の生活環境を害することまたは性的な言動を受けた者の対応によりその者に不利益を与えることをいう。
(9) ドメスティック・バイオレンス 夫婦間および恋愛関係にある男女間その他の密接な関係にある男女間で行われる暴力的行為(暴力その他身体的、精神的、性的および経済的に有害な影響を及ぼす言動)をいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画は、次に掲げる事項を基本理念として推進されなければならない。
(1) 男女の個人としての尊厳が重んじられること、男女が性別による差別的な取扱いを受けないこと、男女が社会のあらゆる分野においてそれぞれの個性および能力を発揮する機会が確保されることその他男女の人権が尊重されること。
(2) 性別による固定的な役割分担を反映した社会の制度および慣行が、男女の社会における活動の自由な選択を阻害することのないよう配慮されること。
(3) 男女が、社会の対等な構成員として、市の施策または事業者もしくは各種団体における方針の立案および決定に際して、共同して参画する機会が確保されること。
(4) 男女が、相互の協力と社会の支援のもとに、子育て、家族の介護その他の家庭生活における活動と当該活動以外の活動とを円滑に行うことができること。
(5) 男女が、互いの性について理解を深め、妊娠および出産に関し、双方の意思を尊重するとともに、生涯にわたり健康な生活を営むことができること。
(6) 男女の社会における活動の不均衡を是正し、職場、地域その他のあらゆる分野において女性の活躍を推進すること。
(7) セクシュアル・ハラスメントおよびドメスティック・バイオレンスが人権侵害であることを認識し、その根絶を目指すこと。
(市の責務)
第4条 市は、前条で定める基本理念に基づき、男女共同参画施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的かつ計画的に実施する責務を有する。
2 市は、男女共同参画施策の推進に当たり、国、他の地方公共団体および市民等と連携して取り組むものとする。
(市民の責務)
第5条 市民は、男女共同参画についての理解を深め、基本理念に基づき、家庭、地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進に努めなければならない。
2 市民は、市が実施する男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、男女共同参画についての理解を深め、基本理念に基づき、女性の活躍を推進し、男女が事業活動に対等に参加する機会を確保するとともに、男女が仕事と家庭生活を両立することができる職場の環境づくりに努めなければならない。
2 事業者は、市が実施する男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(各種団体の責務)
第7条 各種団体は、男女共同参画についての理解を深め、基本理念に基づき、男女共同参画の推進に努めなければならない。
2 各種団体は、市が実施する男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(教育関係者の責務)
第8条 教育関係者は、男女共同参画社会の形成に果たす教育の重要性を深く理解し、基本理念に基づいた教育または保育に努めなければならない。
2 教育関係者は、市が実施する男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(セクシュアル・ハラスメント等の禁止)
第9条 何人も、あらゆる場において、性別による差別的な取扱い、セクシュアル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンス、妊娠または出産を理由とする不利益な取扱いその他の行為により男女の人権を侵害してはならない。
(基本的施策等)
第10条 市は、男女共同参画を推進するため、次に掲げる基本的施策を行うものとする。
(1) 市民等が男女共同参画についての理解を深めるため、広報または啓発の活動を行うこと。
(2) 市民等が行う男女共同参画の推進に関する活動に対し、積極的に情報提供その他の必要な支援を行うこと。
(3) 男女共同参画についての理解を深め、性別による固定的な役割分担等にとらわれない多様な選択を可能にするため、学校教育、保育ならびに家庭および地域における教育を推進すること。
(4) 男女が、相互の協力と社会の支援のもとに、子育て、家族の介護その他の家庭生活における活動と当該活動以外の活動とを円滑に行うことができるよう、環境整備その他の必要な支援を行うこと。
(5) 附属機関またはこれに類するものにおける男女の委員の数の均衡が図られるよう努めること。
(6) 防災分野の施策において、男女双方の視点を取り入れた防災体制に配慮すること。
(7) 男女共同参画の推進に関する国際社会の動向および国内における取組に留意し、男女共同参画施策に役立てること。
2 市は、前項に規定する基本的施策を実施するに当たり、男女共同参画の不均衡を是正し、女性の社会における活躍を推進するため、次に掲げる積極的改善措置を行うものとする。
(1) 女性が職業生活と家庭生活との円滑な両立が可能となるよう、保育園の待機児童の解消その他の環境整備を行うこと。
(2) 女性の職業生活における活躍を推進するため、事業者に対し、情報の提供、啓発その他の必要な措置を講ずること。
(3) 政策・方針決定過程への女性の参画拡大を図るため、目標を定めて市の女性職員の登用および育成を図ること。
(4) 男女がともにまちづくりに参画できるように、地域における意思決定等の場への女性の参画の促進を図ること。
(5) 女性が主体となった市民活動が活発化するよう促進を図ること。
(6) その他女性の社会における活躍を推進するための積極的改善措置を図ること。
(男女共同参画計画)
第11条 市は、前条に規定する基本的施策等を総合的かつ計画的に推進するため、守山市男女共同参画計画(以下「参画計画」という。)を策定する。
2 市は、参画計画を策定するに当たり、積極的改善措置のうち必要と認めるものについて、数値目標を定めるものとする。
3 市は、参画計画を策定するに当たり、あらかじめ、第17条第1項で定める守山市男女共同参画審議会の意見を聴かなければならない。
4 市は、参画計画を策定したときは、これを公表するものとする。
5 前2項の規定は、参画計画の変更について準用する。
(相談への対応)
第12条 市は、性別による差別的取扱い、セクシュアル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンスその他の男女共同参画の推進を阻害すると認められることについて、市民等からの相談に応じるとともに、関係機関と連携し、必要な支援を行うものとする。
(苦情の処理)
第13条 市は、市が実施する男女共同参画施策または男女共同参画に影響を及ぼすと認められる施策について、市民等から苦情の申出を受けた場合は、適切に対応するものとする。この場合において、市長は、必要があると認めたときは、第17条第1項で定める守山市男女共同参画審議会の意見を聴くことができるものとする。
(推進体制の整備)
第14条 市は、男女共同参画施策を総合的かつ計画的に推進するため、必要な体制を整備するものとする。
2 市は、男女共同参画施策を実施するため、必要な財政上の措置を行うよう努めるものとする。
(調査研究等)
第15条 市は、男女共同参画施策を効果的に実施するために必要な情報の収集および分析ならびに調査研究を行うものとする。
(報告)
第16条 市長は、男女共同参画施策の実施状況について、次条第1項で定める守山市男女共同参画審議会に報告するとともに、公表するものとする。
(男女共同参画審議会)
第17条 男女共同参画の推進に関し必要な事項を調査および審議するため、市長の附属機関として、守山市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、この条例の規定に基づく事項のほか、男女共同参画の推進に関する重要事項について、市長に意見を述べることができる。
3 審議会は、委員15人以内で組織し、市長が委嘱する。
4 前3項に定めるもののほか、審議会の組織および運営に関し必要な事項は、規則で定める。
付則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(守山市特別職の職員で非常勤のものの報酬および費用弁償に関する条例の一部改正)
2 守山市特別職の職員で非常勤のものの報酬および費用弁償に関する条例(昭和41年条例第5号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略