○守山市職員の分限処分の標準指針
令和7年4月1日
訓令第32号
(目的)
第1条 この指針は、任命権者が地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第28条、守山市職員の分限に関する手続および効果に関する条例(昭和30年条例第9号。以下「条例」という。)および守山市職員の分限に関する手続および効果に関する規則(平成23年規則第14号。以下「規則」という。)に規定する守山市一般職の職員(法第22条の2第1項に規定する会計年度任用職員を除く。以下「職員」という。)の分限処分に付すべき事案についての具体的な手続その他の運用に関し必要な事項を定め、適正かつ能率的な公務を確保することを目的とする。
(基本事項)
第2条 任命権者は、職員につき、分限処分を決定するにあたっては、次に掲げる事項を総合的に考慮のうえ、判断するものとする。
(1) 当該職員の勤務の状況または勤務の結果
(2) 当該職員の経歴、性格、態度または行動の態様、職員の置かれている状況
(3) 職場環境その他当該職員の適格性を判断するために必要な事項
(標準例)
第3条 任命権者は、分限処分の決定に当たっては、次に掲げる分限処分の対象となる事由(以下「標準例」という。)を参考にするものとする。
(1) 勤務実績不良
法第28条第1項第1号の規定により職員を降任させ、または免職することができる場合は、次に掲げる場合であって、指導その他の措置を行ったにもかかわらず、勤務実績が不良なことが明らかなときとする。
ア 初歩的な業務上のミスを繰り返し、または業務の成果物または処理数が職員の一般的な水準と比べて著しく劣るとき。
イ 所定の業務を一人で処理することができず、常に上司、他の職員等の支援を要するとき。
ウ 自分の好む業務のみ行い、他に命じられた業務を行わないとき。
エ 正当な理由なく、上司の注意・指導または職務命令に従わないとき。
オ 所定の業務の処理を行わず、または上司への報告、相談等を怠るなど独断で業務を行うとき。
カ 人事評価において、直近5年間で1回以上「劣」と評価された者で、過去に「可または劣」(以下「下位評価」という。)の評価を3回以上受けるなど、勤務実績が著しく悪いとき。
キ 指定された研修等を欠席することが度々あるとき。
ク 勤務中、無断離席を繰り返し、または業務に関係しない電話、電子メールまたはインターネット、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に興じるなどして職務に専念しないとき。
ケ 事前に年次休暇等を申請せずに欠勤を繰り返し、または連絡なく頻繁に遅刻・早退を繰り返しているとき。
コ 心身の故障による休職から復職したにもかかわらず、出勤状況または勤務実績が改善しないとき。
サ 上記アからコまでに掲げる事例以外で、勤務実績不良と認められる行動があるとき。
(2) 心身の故障
法第28条第1項第2号の規定により職員を降任させ、または免職することができる場合は、次に掲げる場合であって、医師の診断の結果等に基づき、心身の故障の回復の状況を判断し、心身の故障により今後の職務の遂行に堪えないことが明らかなときとする。
ア 病気休職の期間が満了するにもかかわらず、病状が回復せず、今後も職務の遂行に支障があるとき。
イ 病気休職から復職後、1年以内に再度の病気休職(心身の故障の内容が明らかに異なる場合を除く。)となり、病気休職期間が通算して3年に至るにもかかわらず、病状が回復せず、今後も職務の遂行に支障があるとき。
ウ 今後、回復して就労が可能となる見込みがないとき。
(3) 適格性の欠如
法第28条第1項第3号の規定により職員を降任させ、または免職することができる場合は、次に掲げる場合であって、当該職員の矯正することのできない持続性を有する素質、能力、性格等に起因してその職務の円滑な遂行に支障があり、または支障を生ずる高度の蓋然性が認められ、職員として必要な適格性を欠くことが明らかなときとする。
ア 上司や他の職員等に対する暴力、暴言、誹謗または中傷を繰り返すとき。
イ 協調性に欠け、上司や他の職員等ともめごとを繰り返すとき。
ウ 粗暴な言動等により来訪者や同僚等ともめごとを繰り返すとき。
エ 他者とのもめごとにより、当該職員本人の業務の停滞だけでなく、他の職員の業務の遂行にも悪影響を及ぼすとき。
オ 公務員に必要な適格性に疑問を抱かせるような問題行動を繰り返すとき。
カ 上記アからオまでに掲げる事例以外で、職員として必要な適格性を欠くことが認められるとき。
2 前項各号に定めるもの以外の行為については、類似する標準例の取扱いを参考に判断するものとする。
2 所属長は、前項の規定により、指導等その他の対応措置を講じたときは、その内容および対応措置を講ずる前後の当該職員の状況について記録するとともに、当該職員の勤務実績不良の状況または問題行動を示す資料の収集を行うものとする。
3 所属長は、前項の規定により、記録した記録および資料等を人事課長に提出し、当該職員の状況を報告するものとする。
4 所属長は、人事評価制度における直近の評価結果が下位評価である職員については、必ず報告を行うものとする。
(人事課による対応措置)
第5条 人事課長は、前条第3項の規定による報告があったときは、所属長立会いのもと当該職員と面談を行い、勤務実績不良または適格性欠如の内容について事実確認を行うものとする。
2 人事課長は、前項の面談の他、必要に応じて当該所属長、当該所属の職員等から聴き取りを行い、事実確認を行うものとする。
3 人事課長は、当該職員の勤務実績不良または適格性欠如の状態が心身の故障に起因することが疑われる場合には、医師の診断を受けることを促すものとする。この場合において、再三にわたり、受診に従わなかった場合には、受診命令書(別記様式第1号)を交付して受診を命ずる。
(警告書交付後の観察および指導)
第6条 警告書の交付を受けた職員は、所属長および人事課長に確認のうえ、改善目標設定書(別記様式第4号)により、改善目標を設定する。
2 所属長および人事課長は、改善目標設定書に基づき、当該職員の状況が改善されているかどうか、継続して観察および指導を行うものとする。
3 所属長は、警告書の交付後における当該職員の状況について、継続して記録しなければならない。
4 人事課長は、警告書の交付を受けた職員が、少なくとも3年以上同一の所属長から人事評価を受けることのないよう措置を行う。
(心身の故障に対する対応措置)
第8条 人事課長は、職員が第3条第1項第2号に該当すると見込まれるときは、法第28条第1項第2号に該当するか否かを判断するため、主治医および市指定医(以下「指定医等」という。)の双方の受診を促す。この場合において、対象職員が受診勧奨に従わなかったとき、または一定期間内に受診しないときは、受診命令書を交付し、受診を命ずるものとする。
2 前項の規定により受診を命じられた職員が受診命令に従わない場合は、当該職員の分限処分の可否について、審査委員会の審査に付す。
(診断結果に基づく措置等)
第9条 指定医等により、将来回復の可能性のない、または病気休職の期間中には回復の見込みが乏しい長期の療養を要する疾病のため、職務の遂行に支障がある、またはこれに堪えないとの診断がなされた場合には、任命権者は、法第28条第1項第2号の規定による分限処分の可否について、審査委員会の審査に付す。
2 指定医等のうち、少なくとも1人が将来回復の可能性がない、または病気休職の期間中には回復の見込みが乏しいとの診断をしなかった場合には、人事課長および所属長は当該職員および指定医等と相談のうえ、円滑な職場復帰に向けた対応等を行う。
(行方不明の職員への対応)
第10条 職員が1月以上にわたり行方不明である場合(正当な理由なく欠勤した場合または災害によることが明らかな場合を除く。)、法第28条第1項第3号の規定による分限処分の可否について、審査委員会の審査に付す。
(分限処分の決定)
第11条 任命権者は、この訓令に基づく分限処分を実施する場合には、審査委員会の答申内容を尊重し、決定するものとする。
付則
(施行期日)
1 この訓令は、令和7年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の日(以下「施行日」という。)前までに所属長が作成した所属職員の言動等を記録した書類は、この訓令の規定に基づく勤務状況の記録とみなす。
3 施行日前までに、市の条例の規定によりなされた処分その他の行為は、この訓令の相当規定によりなされたものとみなし、施行日前までに有する職員の休職の期間はこれを通算する。



