BIWAICHI MORIYAMA

ビワイチの
楽しみ方

INTERVIEW

ビワイチが好き!な3人にインタビュー。
初心者から、リピーターまで、みんなの楽しみ方を聞きました。

既にビワイチを経験している人にインタビュー。始めたきっかけは?自転車歴はどれくらい?どんなふうに楽しんでいるの?住まいも年齢も仕事も違うサイクリストが語った、三者三様の思いをご紹介します。

目指すは「ビワ100」! |北 光次さん

能登川在住の北光次さんは現在72歳。
ふだんは愛用のバンに友人や家族を乗せて、全国津々浦々へ観光に出かけるほか、夏季は東近江市で開催されるカヤック・自転車・登山のイベント「SEA TO SUMMIT」に参加したり、冬季はスノーボードを楽しんだり。

そんな風に活動的に過ごしている北さんは、なんと「ビワイチ」を53回も達成しているスーパーおじいちゃん(2019年10月時点)。それほどまでに琵琶湖を一周したくなった理由は何か、ビワイチの魅力を伺いました。

50週目を達成した際の記念撮影

北さんが初めて挑戦したのは、69歳の2016年5月。以降、毎年コンスタントに回数を重ねています。
全国的にも走りやすいと言われている琵琶湖周辺ですが、体力的に不安を覚える年齢から始めるには勇気が必要だったはず。

北さんにビワイチを始めたきっかけを尋ねると「体力づくり」との答えが返ってきました。
「年をとったせいか体力が落ちて、足腰が弱くなってね。下半身がしびれたり痛くなる脊柱管狭窄症にかかってしまったんです」。
このままではいけないと感じたとともに、大好きなスノーボードを1年でも長く続けたかったこともあり、マウンテンバイクで走り足腰を鍛え始めたそう。その矢先、琵琶湖を自転車で走っている人を見かけて「ビワイチ」を決意した、と北さんは話します。

「マウンテンバイクでの一周はしんどかったですよ!(笑)」と、始めた当時を振り返る北さん。5周目まではマウンテンバイクで走っていたものの「ある時、ロードバイクに乗った若い女性にピューっと抜かされたのが悔しくてね。僕も速く走りたいと思って、もっと良い自転車はないか探していたんですよ」。そんな時に自転車専門店「ジャイアント」でロードバイクと出合います。

「ロードバイクで初めて走った時の、風をきる爽快感は感動的でした。マウンテンバイクとはスピードも一漕ぎで進む距離も段違いだったので、早速乗り換えました」。

「乗りやすくて気に入っています」と語る愛車。高齢者マークもお洒落です!

そんな風にして50回以上も周回してきた中で「やめよう」と思ったことはあったのでしょうか。「毎回残り2,30キロになると『しんどいなあ、やめたいなあ』と思っています。でもゴールしたら、不思議とまた走りたくなるんです」。

その理由を聞くと「車窓からは見られない景色を堪能できるのが、ビワイチの一番の魅力」と語った北さん。そして、こんな風にも語ってくれました。
「僕は目標に向かってチャレンジするのが好きなんです。スノーボードも80歳までやろうと思っていますしね。ビワイチも同じで、5、6回走った時に『よし、100回琵琶湖を一周するぞ!』と決めましてね。だから100周するまではやめられません(笑)」。

初心者はレンタサイクルでOK|黒田百合さん

奈良県から高速道路で約1時間半かけて来滋しているのは、登山やランニングで体を動かすことが大好きな「ビワイチ」初心者の黒田百合さん(写真右から2人目)。

2年ほど前から滋賀県の寺へ観光に来ていたものの、自転車には乗ったことがなかった黒田さんが、なぜ“琵琶湖一周”にはまったのか、そして滋賀県の魅力についても聞きました。

「ビワイチはいつも1人ですが、自転車仲間ができました」と黒田さん

本人曰く「ビワイチ」という言葉自体は、以前から耳にしたことはあったそう。とは言え、特に魅力は感じていなかったと言います。そんな黒田さんが始めた理由は「友人が先にビワイチに興味を持った」から。

「自転車で琵琶湖一周なんて、私にとっては未知の世界ですよ。だけど友達がその世界へ飛びこんだことが、ビワイチを身近に感じる一歩だったと思います」。
日本一大きな湖を自転車で周れたら、山の頂上へたどりついた時のような達成感を感じられるのかも――。持ち前の好奇心も手伝って「いろんなことを体験してみたい」との思いから、黒田さんはビワイチを決心します。

今はロードバイクで走行していますが、最初のビワイチは意外にもレンタサイクル。「ジャイアントさんで自転車が借りられるので、試しにロードバイクに乗ることから始めました。この自転車がママチャリとは全く違ったんですよね。ペダルを1回漕いでみたら思いがけなくスーッと進んだから、びっくりしちゃって(笑)。その時からロードバイクが大好きになりました」と、黒田さんは楽しそうに話します。

ビワイチを通じてできた自転車仲間とライドイベントに参加したり、お店でスイーツを食べたりといったことも

実際に体験した感想を聞くと「ビワイチはやり遂げた充実感を得られるのがいいですね。走っている時はしんどい場面もあるのですが、終わるとすごく満足します。それに、全身で風を切ってぐんぐん進む感じもクセになるんですよ」。

景色も抜群に良い、と語る黒田さんに、特にお気に入りのスポットを教えてもらいました。「常に琵琶湖を見ながら走れるのが楽しいですよ。特に琵琶湖の北部、賤ヶ岳付近がハイライトかもしれません。
賤ヶ岳を昇った先のトンネルを抜けると、急に視界が開けて眼下に琵琶湖が広がります。その絶景と言ったら!素晴らしい景色に思わず『よっしゃ、やったぞ!』とガッツポーズをしたくなりますね」。

そして「ビワイチ未経験者に、楽しさや達成感を味わってほしい」とも言います。黒田さんのように特別な自転車を買わなくても、レンタサイクルで気軽に始められるので、構えないで気軽にチャレンジしてみては。

自転車で滋賀の魅力が倍増!|宮本和宏さん

高校時代は通学で7キロの道のりを走り、大学時代は所属していた自転車部の仲間と全国各地を旅行。
自転車と濃厚な時間を過ごした10代、20代とは打って変わり、40代になるまでの約20年間は自転車と疎遠になっていた、と宮本和宏さんは話します。

しかしある時、ビワイチをきっかけに自転車への情熱が再燃。多忙を極める仕事の合間を縫って自転車に乗り続ける宮本さんに、その魅力とビワイチの楽しさについて聞きました。

「長浜市の湖北みずどりステーションで、景色を眺めながらお弁当を食べるのがお気に入りです」と宮本さん

フランスおよび周辺国が舞台の、自転車のロードレース「ツール・ド・フランス」。毎年熾烈な戦いが繰り広げられ、名シーンが生まれる中、アメリカ人で初めて、そして3度の優勝を果たした“レジェンド”グレッグ・レモンの勇姿は、宮本さんの大学生活を自転車漬けに変えました。

「ドラマチックなレースで気持ちよさそうに走る彼の姿を見て、私もあんな風に自転車で走ってみたいと思いましてね」。東京から北信越まで休憩することなく走破するなど、筋金入りの自転車生活を送った学生時代を経て、2014年、ビワイチをきっかけに新たな自転車生活が始まりました。

久々に乗った感想を訊ねると「やっぱりワクワクするんですよ、自転車って。徒歩よりは速く、車よりスピードが緩やかだから、風当たりが心地良いんです」。

今では野洲川の河川敷や琵琶湖岸の「琵琶湖マリオットホテル」、守山駅前の「さわやか通り」を通勤ルートに組み込んだり、休日は琵琶湖の北部を一周するなど、ビワイチのみならず、自転車が暮らしのパートナーになっているそう。

宮本市長主導で進む健康と観光を繋げたまちづくり

そんな宮本さんの職業は、滋賀県守山市の市長。
「のどかな田園都市」を基本理念に、駅前の市街地エリア、教育・健康・福祉・文化を支える田園エリア、自然豊かな湖岸エリアが調和した土地利用を行っています。その中で、特に湖岸エリアの活性化を図るべく始めたのがビワイチ。

ビワイチは、全国的に有名なサイクリストの聖地・しまなみ海道がロールモデル。土地が平坦で自転車が走りやすく、また琵琶湖を横断する県の重要な要所「琵琶湖大橋」の袂に位置する土地柄を活かし、自転車を軸としたまちづくりに力を入れています。

例えば、プロサイクリスト監修の自転車地図「ビワイチマップ」を作成し、全国のスポーツ自転車店で6万部を無料配布、ビワイチをアピールしたり、守山市湖岸に「琵琶湖サイクリストの聖地」碑を設置したり。

加えて、自転車を購入する市民に向けての補助金制度を行っているほか、今後はサイクリング拠点併設の「道の駅」の設立も検討しているそう。

「ペダルを漕いで走ると景色をゆっくり見られるし、琵琶湖の魅力がさらに深まりますよ」と語る宮本市長。2019年11月に、ビワイチが国指定の「ナショナルサイクルルート」第一号に選ばれたことも追い風となり、自転車を軸とした観光にさらなる注目が集まりそうです。

思いたったらビワイチ

初心者からリピーターまで、みんなが楽しんでいるビワイチ。
あなたもビワイチで爽快感・達成感を感じてみませんか?少しでも興味がある人は、『準備の仕方』をご覧ください。ビワイチするための準備は、思ったよりも簡単です。

こちらの記事もおすすめです
こちらの記事もおすすめです